焼き物工程

1.『土練り』
大きな土の塊を機械にかけて、含まれている空気を抜くと同時に水分量を均一にしていくのが土練りです。
空気が残っていると、焼成したときに空気が膨張して割れたりヒビが生じる原因となります。それらを防ぐと同時に、土を使いやすい形や大きさに整えていく成型前の重要な工程です。

2.『ろくろ成型』
土練りを終えた土には機械にかけた“ねじれ”癖がついているので、本格的な成型に入る前にもう一度均一にして成形していきます。一つひとつ同じ形・同じ大きさの器にするためにトンボという道具を使って口径や深さを測りながら成型していきますが、熟練してくると手のひらの感覚だけで同じ形を作れるようになってきます。

3.『乾燥・削り上げ』
成型が終わったばかりの土は柔らかく、少しの衝撃ですぐに変形してしまうため、手で持ち上げられるくらいになるまで日陰で乾燥させます。その後、再びろくろに載せて回しながら、カンナを使って高台を作ったり、側面を整えていきます。

4.『乾燥』
成形が完了した器は数日かけて真っ白になるまで均一に乾燥させます。乾燥が不十分だと焼いたときに割れや歪みが起こるので注意が必要です。しっかり乾いたら絵付けの際に筆が引っかからないようにスポンジで表面を水拭きし、カンナやサンドペーパーの削り跡を滑らかにしていきます。

5.『素焼き』
乾燥の終わった器は温度ムラが発生しないように窯に均一に並べ入れ、900〜950℃になるまで12時間以上かけてゆっくり温度を上げていきながら水分を飛ばし、同時に土に含まれる有機物を燃やしていきます。素焼きが終わったら炉内の温度が100℃を下回るまで放置して、十分に冷めてから中の器を取り出します。

6.『絵付け』
呉須などを使って下絵をつけていきます。複雑な絵柄はアタリ線を入れてから絵付けをしますが、基本的には一発勝負なので集中力が必要です。絵付けが終わったら、全体に釉薬をかけます。

7.『本焼』
21時間程かけて1240℃までゆっくり炉内の温度を上げながら本焼をします。窯によって“焼きグセ”があり、10℃違うだけでも焼き上がりに大きな差が出てくるため非常に気を遣う工程です。本焼き中、一定の温度に達したら炉内の酸素量を下げて還元焼成させることで砥部焼らしい鮮やかな青が発色します。

8.『検品・出荷』
十分に炉内の温度が下がってから窯出しを行います。焼けムラがないか、歪みやひび割れがないか、異物がついてないかなど、一つひとつ手に取りながらチェックしていきます。最後に高台のざらつきをサンドペーパーなどで磨いて整えてから出荷します。