器屋ひよりについて

砥部焼とは

ー白磁に藍の素朴な染付けが施された、
ぽってりとした厚みのあるやさしいフォルムの器たちー

砥部焼は今から約240年前の江戸時代、大洲の藩主に命じられて開発されたという由緒のある焼き物です。
丈夫で日常使いに最適な器として親しまれ、明治になると外国にも輸出されるようになり、世界にその名を知られていきました。

しかし、大正から昭和にかけての不況で、砥部焼を含め日本の焼き物生産は落ち込みます。
このことにより国内の先進地は効率化のため機械による大量生産へと移行しましたが、砥部の窯元達はその流れに追従することはありませんでした。

自分たちのアイデンティティを頑なに守り通してきた砥部には、“手仕事の技術”が受け継がれているのです。

手仕事の伝統を守りながらつくる新しい器たち

器屋ひよりは2015年に誕生した、砥部の中では比較的に新しい窯元です。砥部焼のぬくもりとやさしさのある手仕事に魅せられた二人の女性陶芸家が、縁あって一緒に活動することになりました。

私たちがつくっている焼き物は、茶碗や湯呑み、小鉢などの日常で使われる器たちが中心です。

唯一無二のカタチを生み出すこと、人を魅きつけて長く愛される絵を描くこと。使う人に喜んでいただける器をつくるために、伝統を大切にしながらも新しいことに積極的に取り組んでいる窯元です。

生活の中ですぐ隣にいる身近な存在として

どんなに美しい形でも、どんなに目を引く華やかな絵柄でも、持ちにくかったり盛りつけた料理が映えない器だと、次第に食器棚の奥に押しやられてしまいがち。

ひよりがつくりたいのは“食器棚の一軍選手”食器棚の最前列に並べてもらえる器です。

ー器はカタチが命、絵付けはお化粧、主役は料理ー

使う人と、使うシチュエーションを考えた、手なじみのいい形と重さ、口当たりのいい厚み。水玉や植物などの伝統柄を現代風にアレンジした、料理を妨げないシンプルな柄と余白を残した染付け。実用性とデザインを兼ね備えた、毎日使いたくなる器を目指しています。

ぜひ一度、私たちのつくる器を手に取ってみてください。

“選ぶ楽しさ”と“使う喜び・感動”を

器を 使う人の好みも使い方も、器に求めるものも人それぞれに違います。
ひよりでは、お客さまにご満足いただけるようにいろいろなシリーズの器を用意しています。

餅花のような“玉文”、水の中から湧き出る泡をイメージした“アワ文”、古紋柄の“やり梅”、“ト草文様”、ベーシックなドット柄、丸や植物をモチーフとした絵柄はどれもシンプルでありながら、ひよりらしい個性があります。


そもそも全てが手づくりのため、絵柄が同じでも形が違ったり、形は同じでも絵柄が微妙に異なっていたり、同じ器は一つとして存在しないのです。

たくさんある中からお気に入りの器を選ぶ楽しさと、“世界にひとつだけ”の器を使う喜びや感動をぜひ味わってみてください。

作家プロフィール

中西 九美

1984年 愛媛県に生まれる
2003年 愛媛県立松山南高等学校砥部分校デザイン科 卒業
2005年 河原電子ビジネス専門学校ビジネスマネジメント科 修了
2007年 第5期 砥部焼陶芸塾 修了
2014年 すこし屋 退職(7年勤務)
2015年 器屋ひより 開業
2015年 技能検定2級 手ろくろ成形作業 取得
2018年 砥部町陶芸創作館 退職(4年勤務)

矢部 沙耶花

1982年 愛媛県に生まれる
2006年 広島市立大学芸術学部油絵科専攻 卒業
2007年 愛知県立窯業高等技術専門校 修了
2008年 第6期砥部焼陶芸塾 修了
2015年 器屋ひより 開業
2015年 技能検定2級 絵付け作業 取得
2017年 砥部焼 永立寺 退職(10年勤務)